一章

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「日向は兵を二手に分けました。本隊一万は本能寺へ、秀満隊三千がこちらへ。本能寺へ向かうには秀満を抜かねばなりませぬ。」 「うむ、なんとしても父上を救うぞ!参ろう!」 信忠は家督(カトク)を譲られ現織田家当主である。 信長と比較されるからかどちらかと言えば世間から低い評価をされがちであった。 しかし、貞勝はそうは思わなかった。 まだ若く血気盛んなところもあるが信長と違ったところで大器であると感じている。 光秀もそう思うから兵を向けたのであろう。 信忠は馬に跨り 「なんとしても大殿を助ける!敵の首はいらぬ!みなに相応の恩賞を与えよう!いざ!」 と鼓舞しつつ、出陣した。 兵は五百。 むろん多勢に無勢ではある。しかし兵の士気はすこぶる高い。
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