一章

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「殿ー!敵襲でございます!」 秀満隊の斥候が声を張り上げる。 「敵襲!?バカな……信忠様か?」 「はっ!」 隠密裏なことのはずであった。 (まさか?読まれていたのか?) 秀満は動揺した。 「状況は!?」 「信忠軍約五百、突撃して参りました!」 (殿は平気か?いや、今は信忠様を……) 秀満は謀叛が読まれていた可能性を拭い去り前線へ赴いた。 信忠軍はすでに先陣に突撃している。 「裏切り者共めぃ!退けぃ!」 信忠の一喝に明智兵が怯む。 信忠は槍で明智兵を払いつつ進んでいた。 「織田信忠殿とお見受け致す!我は明智光忠!いざっ!」 「光忠ぁ!」 名乗りを上げた光忠に信忠が迫る。 キーン! 甲高い金属音が響く。 光忠が信忠の槍を受け止めたかに見えた。が騎馬の勢いまでは止まらず、光忠は肩を突かれた。 「くっ……!」
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