二章

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(これが曹操軍の軍議か。活気があり、理解しやすい) 信長は黙って聞いていただけだが、それだけでも充分理解できるやりとりであった。 「信長殿、ご存知かはわからぬが劉備には一騎当千の強者関羽(カンウ)と張飛(チョウヒ)がおる。合戦は我らに任せてくだされ。貴軍の勇猛な兵を無駄にする必要はござらん」 「劉備、関羽、張飛、望むところよ……といいたいところだが貴殿の戦ゆえしゃしゃらぬ」 信長は曹操の言葉に笑って返答した。 「では、信長殿。御武運を祈る」 信長は半兵衛たちと合流し城門を出た。 そしてすぐさま配下の武将を呼び寄せた。 「曹操との軍議により、これより徐州の劉備討伐軍に同行することにした」 諸将は真剣な顔で聞き、次の言葉を待った。 「蘭。一足先に徐州へ向かい、情報を集めよ。貞勝には汝南での情報収集を任ずる。汝南統治にはどのような手段が必要か探ってまいれ」 任を受けた両名が動く。信長はかまわず話を進めた。 「先陣は可成五百、後陣は信忠五百。準備が整い次第出立する」
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