第二部 七章

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「まあよい。まずは儂と共に襄陽へ参れ」 今すぐに信長の魂胆を暴くのは無理と考え、曹操は信長を片時も離さないよう随伴することを要請した。 信長とてそのつもりで曹操の本陣を訪れたのだから異論はない。 信長は自陣へ戻るなり半兵衛に向かって問う。 「曹操は気づくと思うか?」 「どうでしょうな」 半兵衛はわからないと首を傾げた。 「疑り深い曹操のことだ、誰かしら鳥の生態に詳しい者に問いただそうぞ」 信長はその場面が目に浮かぶようでくぐもって笑う。 「意図を知ったら激怒しましょうな」 「ふん、なんとでもなる」 半兵衛は信長を驚かすつもりで言ったのが、全く動じる素振りのないことに半ば呆れていた。 ちょうどその頃、劉備らは一足先に襄陽へと到達していた。 だが入城は拒否され、劉ソウが曹操に降ったことを知らされ今までにないほど憤慨していた。
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