第二部 七章

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諸葛亮はそんな劉備をなだめ、武器や兵糧を保管してある南の江陵へ向かい曹操と対峙することを提案した。 劉備もその案に従い、行軍の命令を出す。 すると、にわかに襄陽城内が騒がしくなり、劉備らに一番近い城門が開かれた。 「劉備殿こちらへ!」 城内から大声で劉備を呼ぶ声が聞こえてきた。 劉備は諸葛亮と顔を見合わせたが、諸葛亮は無言で首を横に振った。 劉備は声のする方を向き、軽く頭を下げると南へと立ち去っていった。 「この裏切り者が!」 劉備を呼んだ青年に襄陽の兵が群がる。 「一戦も交えず曹操にへりくだる軟弱者どもにこの魏文長を討てるものか!」 魏延は両端に薙刀の刃を備えたような武器を振り回す。 魏延の武勇は他の兵に比べ圧倒的で、当たる者皆切り倒していく。 だがわずかな味方は全滅し孤軍奮闘。 倒しても倒してもきりがなく魏延も疲労困憊、満身創痍であった。 その時、別な場所から喚声が沸き起こる。 朝倉と呼ばれる劉表が懇意にしていた将らが叛旗を翻し、劉ソウ勢に戦いを仕掛けていた。
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