第二部 七章

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信忠は信長を真似てあらゆる情報を精査し、どんな動きにも対応できるように備えていた。 そこへ、長い髭をたくわえた巨漢の将が江夏に近づいていると報告が入る。 信忠は真っ先に関羽を想像したがまさにその通りで、関羽らは休む間も惜しんで馬を走らせ続けていた。 関羽の名と剛勇は当然信忠軍にも轟いており、その名が出るだけで部隊が浮き足立つ。 「城内は親劉備でまとまっておる。此度の関羽の来訪は劉備への救援を求めてのことであろう」 道三の推測は的を射ているであろう。 信忠は道三と五百ほどの兵を率いて、関羽のやってくる方向へと移動した。 直情的な関羽のことである、出会い頭に攻撃されてはならんと信忠は部隊に白旗を掲げさせ、到来を待った。 白旗の部隊がいることを聞いた関羽は、何者で何の意図があるのかを尋ねさせるために兵を遣わす。 しばらくして兵は息を切らして関羽の下へと戻った。
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