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「信忠と利政だと？」
関羽は二人の名前を聞き、懐かしく思い、その姿を思い浮かべた。
「だが急を要する。僅かな遅れが兄者や張飛の、そして群集の危機につながってしまう。話を聞いている暇はない」
関羽は劉備らの命運を左右する重大な任務であると、会談に応じることはできないと再度兵を使者に出した。
関羽の兵からの言付けを聞いた信忠は致し方なしと会談を諦め、関羽の通り道の脇に並び見送ることにした。
濛々とした砂煙を巻き上げ、関羽の一団が通っていく。
信忠らは軽く頭を下げて通り過ぎるのを待つ。
関羽も信忠らを見かけると会釈をして走り去っていった。
「これ以上ここにいても仕方あるまい」
と、道三が帰陣を促す。
信忠も同意し、陣へ戻るとすぐ信長からの使者が到着した。
「隠れて劉備の手助けをせよ、か」
信長がようやく曹操からの独立に動きだした、聞き及んだ配下の将たちはそれぞれに感慨深い思いを抱き、信長の天下取りを夢見ていた。
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