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「さて」
諸葛亮は道三の言葉を待つでもなく、頭を上げると道三の目を見つめた。
道三は心中が読み取られているような気分になり、意図的に目線を外す。
「利政殿がおられるということは悪い話ではなさそうですね。織田信長殿に劉備様の味方をせよ、とでも言いつけられましたかな?」
これには道三も驚き、心臓の鼓動が早まった。
「なぜそのように思われる?」
道三は平静を装い問い返した。
「先ほど言ったでしょう?利政殿がこの場にいるからです」
諸葛亮は子供を諭すような優しい口調で道三に返答した。
「儂がいるから?」
道三は腑に落ちず再度尋ねてみるが、それは関羽によって止められた。
「利政、すまんな。曹操の追撃隊が爪を研いで攻撃の機を伺っておるゆえ時間がないのだ」
道三はやむなく口を紡いだ。
「そのことですが関羽殿。水軍をお願いできませぬか?」
「水軍……漢江を上るのか?」
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