第二部 七章

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「はい。曹操に追われる劉備様が逃げる先はおそらく漢江沿いでしょう」 関羽の問いかけに諸葛亮が静かに頷く。 「では劉キ殿、水軍をお借りしますぞ」 関羽は劉キに断り、すぐに船団の待機する港へ赴いた。 「劉キ殿は私と共に残りの兵を率いて、陸路劉備様の救援に向かっていただきます。幸いにもこの城は、利政殿を始めとする織田信長殿の麾下が守ってくれるようですし」 諸葛亮はそう言うと道三に目配せした。 「間違いなく、お預かり致そう。必要ならば念書も書きますぞ」 道三の言葉に、諸葛亮は手に持つ羽扇で口許を隠し、くすりと笑う。 「念書は、あなた方が劉備様の手助けをした証拠となりますゆえ残さぬがよろしいかと」 「ならばそれなりの信用はされているということで良いのだな?」 「無論」 諸葛亮と道三の会談が終わると、道三は劉キの部下を借り信忠への早馬とした。 信忠は使者を受け、即刻全軍を率いて江夏に入城する。
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