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「あなたが織田信忠殿。これはなかなかに波乱の相をしておられますな」
諸葛亮は深くは語らずに、それだけを言うと劉キと共に援軍に赴いた。
「波乱か。まあ一度死んで、千年以上前の大陸に来ているのだから荒唐無稽なことではあるな」
深夜、信忠は楼閣の最上階にてひとり星空に語りかけていた。
「遅々として進まんな」
劉備追撃中の信長は、民の行進に足を取られ、思うように逃走できない劉備を哀れんだ。
同時に信長自身が退屈に耐えきれなくもなっていた。
「直に崩れますゆえ」
半兵衛は気を緩めることなく、しっかりと前を見据えている。
「直に……ですか?」
信長隊と行動を共にしている虎豹騎隊長の曹純が不思議そうな眼差しで半兵衛に問いかけた。
「ええ。民衆の動きに乱れが見えてますし、後方の劉備兵も苛ついていますからな」
半兵衛が冷静に分析してみせると曹純はなるほどと大きく頷いた。
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