第二部 七章

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高覧は呻き声をあげることもなく息絶えた。 趙雲は槍を抜き取り、 「信長殿、なぜここに?」 と振り返り、槍を構えた。 「曹操の盟友である、いておかしいことはあるまい。だが用向きはまた別だ」 信長は血に染まった刀を高覧兵の服に拭い、鞘に納めつつ後方の部下に呼びかけた。 「連れて参れ」 すると信長の兵に先導されて文官が連れてこられた。 「糜竺殿、ご無事でしたか!」 怪我などなく、極めて元気そうに歩いてくる糜竺に趙雲は驚き、また胸をなで下ろした。 「趙雲殿槍を納めてくれ。信長殿には危うい所を助けていただいたのだ」 糜竺から事情を聞くと、趙雲は深く頭を下げた。 だがそれほどゆっくりしている時間はない、と糜竺を自分の後ろに乗せ、張飛の下へと馬を走らせた。 趙雲は去り際、信長に劉備の妻である甘夫人と糜夫人それに子の阿斗を発見したら保護して欲しいと願い出、信長はそれを快諾し部下に捜索するよう命じた。
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