第二部 七章

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趙雲は咄嗟に左腕に絡む鎖を力任せに引っ張り、その鎖で鐘紳の剣を受け止めた。 鐘紳は鎖の弾力に跳ね返され、体勢を崩した。 その隙に趙雲は鎖の主鐘縉の所まで駆け、履いてあった宝剣を抜き、斬り下ろした。 鐘縉は先の趙雲のように剣の軌道を鎖で止めようと試みる。 しかし、趙雲の剣は障害物など何もなかったかの手応えで鎖と共に鐘縉をも両断した。 返す刀で、体勢を戻し趙雲の背後に迫る鐘紳を真一文字に斬りつけた。 剣はやはり何の抵抗も感じないくらいの切れ味で、鐘紳の腹部を切り裂く。 趙雲は剣の鋭さに感心しながら糜夫人の下へと戻る。 これほど動いたにも関わらず阿斗はぐっすりと眠っていた。 糜夫人は自分を見捨てて行けと頑として曲げず、趙雲は何としても連れ帰ると二人の話は平行線のままであった。 「見つけたぞ、趙雲」 晏明という剛力の将がのっそりと近づいてくる。 趙雲は舌を打ち、糜夫人を背後に剣を構えた。
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