第二部 七章

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趙雲は穢れたものでも見るかのような目つきで淳于導を睨む。 「勝てば良いのですよ、勝てば」 淳于導は接近戦では到底かなわぬことを悟っており、必要以上に近寄らず距離を取っていた。 こうすることで趙雲の動きも増え、毒の回りを早める効果も狙ってのことである。 「鬱陶しいな」 趙雲はぼそっと呟く。 距離が詰まらないまま時間だけが過ぎる。 やがて趙雲が足をよろめかせ、その場に片膝を立てて座る。 「おや?毒が効いてきましたか?」 淳于導がほくそ笑む。 趙雲は足に力が入らないのか、立ち上がろうとするができない。 「いかに名将猛将と言えど、こうなってはただの雑兵以下ですね」 淳于導は相変わらず卑しい笑みを浮かべて無防備に趙雲に近寄ってきた。 淳于導が間合いに入ると趙雲の瞳が鋭く光り、一足飛びに剣を突き出した。 剣は淳于導の胸を貫く。 「ど、毒が効いていたのでは?」 「残念だったな」 趙雲は自らの手のひらを開いて見せた。
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