第二部 七章

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その男の目は先ほどの……と趙雲の直感が告げる。 続けて別の兵が攻撃を仕掛けてきた。 趙雲がそれを受け止めると、 「このままの方角にお逃げくだされ」 と、兵が呟く。 趙雲は己の直感を信じ、兵の言う方向へと馬を進めた。 趙雲のすぐ後ろを先ほどの兵二人が追いかけてくる。 二人が何かをしているのを趙雲は肌で感じたが、何も聞かずにひたすら馬を走らせる。 「趙雲が来たぞ、捕らえろ」 前方に曹軍の一団が待ち構えていた。 「止まらずにそのまま」 後方の男が叫ぶと同時に、待ち受ける曹軍が突如騒ぎ出し、隊列が乱れた。 見ると黒装束の者たち数名が、曹軍兵に切りかかっている。 想定だにしていない内部からの敵襲に曹軍の一団は混乱に陥り、趙雲はその真ん中を一気に切り開き、駆け抜けた。 後続の二人も同様に趙雲を追う。 しばらく進み、敵兵の姿が見えなくなると、趙雲はやけに静かな後ろを振り返り様子を窺った。
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