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「さあ、趙雲。疲労困憊であるとは思うがもう少しだ。生きて共に天下の道を歩もう」
劉備は悲壮感など全く見せず、むしろ趙雲を励ました。
「殿に降りかかる火の粉、この趙子龍が全て薙ぎ払いましょう」
趙雲の言葉に劉備は屈託のない笑顔で応えた。
一方張飛は相変わらず長坂橋の前に立ちはだかっていた。
徐々に曹操の軍勢が姿を見せ始めている。
張飛は部下を橋の先の森に隠し、馬や兵に草木を揺らさせることで大規模な伏兵の存在を疑わせた。
張飛の策は当たり、曹軍は一定の距離を保ち、遠巻きに長坂橋を見据えている。
そんな中、命知らずなのか腕に自信があるのか三人の将校が悠々と張飛に近寄っていった。
張飛はその将校らを睨みつけ、
「燕人張飛を知らぬか!」
と、大喝する。
声、気迫共に獲物を前にした虎のようで、将校たちは腰を抜かし尻餅をついて座り込んでしまった。
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