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「情けない、あれが我ら亡き後の曹軍を担う逸材とでも言うのか」
成り行きを見守っていた夏侯惇は嘆き、すぐ傍に曹操がいるかのように呟いた。
そして馬に跨り、威風堂々と進む。
「ほう、まともな奴がいるじゃねえか」
張飛はまるで舌なめずりでもするように、嬉しそうな声をあげた。
将校は張飛の視線を追い後ろを振り返る。
「夏侯惇将軍!」
そこには夏侯惇が近づいていたが、侮蔑の眼差しをも感じた。
将校らは夏侯惇の怒りに触れては、と懸命に立ち上がり、あろうことか張飛に向かって駆けていく。
そして三人一斉に飛びかかった。
「うるさい蠅だな」
張飛は蛇矛を大振りに横に薙ぐ。
次の瞬間、三人の胴は上半身と下半身に別れ、崩れ落ちた。
「ちっ、愚かな」
夏侯惇は舌を打ち、張飛を睨みつけるとその場に立ち止まり、激しい殺気を向ける。
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