第二部 七章

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「情けない、あれが我ら亡き後の曹軍を担う逸材とでも言うのか」 成り行きを見守っていた夏侯惇は嘆き、すぐ傍に曹操がいるかのように呟いた。 そして馬に跨り、威風堂々と進む。 「ほう、まともな奴がいるじゃねえか」 張飛はまるで舌なめずりでもするように、嬉しそうな声をあげた。 将校は張飛の視線を追い後ろを振り返る。 「夏侯惇将軍!」 そこには夏侯惇が近づいていたが、侮蔑の眼差しをも感じた。 将校らは夏侯惇の怒りに触れては、と懸命に立ち上がり、あろうことか張飛に向かって駆けていく。 そして三人一斉に飛びかかった。 「うるさい蠅だな」 張飛は蛇矛を大振りに横に薙ぐ。 次の瞬間、三人の胴は上半身と下半身に別れ、崩れ落ちた。 「ちっ、愚かな」 夏侯惇は舌を打ち、張飛を睨みつけるとその場に立ち止まり、激しい殺気を向ける。
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