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「ヒュ~。相変わらずモテるなぁ、怜。」
「……翔か。」
聞き覚えのある声に、声がした方へ視線を向けると、
そこには幼馴染であり親友でもある翔が立っていた。
「人が告白されてる現場を盗み見るなんて、相変わらずイイ趣味してんな。」
多少の皮肉も込めて、俺は翔に言った。
「別に、見ようと思って見たワケじゃねーよ。授業サボってそこで寝てたら、
話し声がしたんでね。起きて見てみたら、お前が告白されてるとこだったってわけ。」
屋上の給水タンクの方を顎で示し、翔は言った。
俺は、その翔の言葉にため息を吐いた。本日二回目のため息だ。
「午後から教室に姿が見当たらないと思ったら…。やっぱサボってたのか、お前。」
至って飄々と言ってのける翔に、俺は若干呆れ気味で返す。
まぁ、こいつが授業をサボるのは今に始まったことじゃねーが。
「つーかさ、お前っていっつも告ってくる女子フるよな。」
そう言って、翔はいきなり話題を変えた。
ったく……相変わらず、突拍子もないことを突然言うな、こいつは…。
「別に、いつもってわけじゃねーだろ?彼女いた時期だってあるし。」
翔の方を見ながら、俺は淡々と言った。
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