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「陽那、面談終わった?」
後ろから声をかけられて振り返った。
『ゆーちゃんっ!面談ダメだったよ~~。先生に早く進路決めろって念押しされたし..。』
あたしが泣きながら抱きつこうとすると
「バカ。まだあたしら1年なんだから焦らなくていいんだって。」
と言ってあたしをスルリとかわした。
このクールで落ち着いた女の子があたしの中学の時からの親友、神崎優子。
とっつきにくいと言われていた彼女は、当時は周りから浮いていて
でも相当な美人で
単純なあたしは一目で恋に落ちて
仲良くなろうと毎日必死で孟アタックした。笑
最初のウチは想いも虚しく、あたしの「友達になろうオーラ」は拒まれ続けたが
今ではこうして親友と呼べる程の仲になった。
『とか言いながらゆーちゃんはもう行きたい大学決めて勉強励んでるクセに~~』
「陽那は陽那のペースで決めたらいいの!将来の夢は焦って決めるもんじゃないよ」
『そっか...そうだよね!!あたしはあたしなりに進めばいー♪」
「...単純。」
『ヒドッ!ゆーちゃんがそう言ったんでしょ~~!?』
廊下には2人の笑い声が響いていた。
───もうすぐ夏休みだ。
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