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「大丈夫ですよ。疲れて眠っているだけです。心配はいりません。」
ミラのすぐ隣にいた婦長らしき看護婦が、静かにレオナルドに言った。レオナルドはまた深いため息をついた。ほっとしたのか口元に微妙に笑みが起きた。
「よかった…。」
レオナルドは涙目になりながら、眠っているミラの頬にキスをすると、辺りを大きく見回して不思議そうな顔でやがて尋ねた。
「僕たちの…、ミラの産んだ子供は…?」
その問いかけに、ただ黙ったまま主治医は部屋の隅を指差した。
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