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医者はしばらく口を閉じるように黙り込んだ。レオナルドの耳にはもう主治医の声は届いていなかったが、主治医は続けた。
「…。肌に異常が見られます。おそらく、早期出産に偶発的におきたものでしょう。極度のアレルギー性の皮膚炎症です。」
誕生してからいつまでも泣き続ける子供をレオナルドはじっと見つめていた。その体はあまりにも小さく、そして全身は真っ赤にただれていて所々から血を吹き出していた。外ではいつまでも雷鳴が響き渡り、その光りが暗い夜を照らし続けていた。
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