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その青年は、本当によく働いていた
アルバイトというのを雇うのは初めてであったが
私の予想していたお花が好きな女性より その青年は、よく働いているだろう
女性へ花をプレゼントするという習慣もだんだん減ってきている時代だ
お客の中にも彼のような青年はほとんど見なくなっていた
今の若者たちには花束が必要のないものなのだろうと思ったことも
確かにあった
妻に先立たれてから
以前は娘夫婦がよく手伝いに来てくれたものだったが
孫ができると どうしてもそう簡単には帰ってこれなくなるのが当然であった
とは言っても、たまに家族で手伝いに来てはくれるし
そのたびに孫の顔も見れる そもそもお客がこない日もあるくらいだから 花の管理以外にたいした仕事もない
それでもなにしろ 母の日はもう明日である
今週は普段よりずっと忙しかった
母の日の贈り物というものは 今やどこででも購入できる
しかし こういう専門店の花に母親への感謝や愛情を込めていく人はそれでも毎年多かった
今年は娘夫婦も来れないと連絡を受けていたので
ものは試しと アルバイトを募集してみたのだが
入り口に貼り紙をした次の日には その青年は店内にやってきていた
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