詩人の動機🌃

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詩人の動機🌃

手に握ってるのは招待状 『こちらで行われるパーティーに参加してください。これは国民の義務です。』 絶壁の上にある城で行われる貴族のパーティーに 俺は招待された みんな華やかな衣装を着る中 俺一人、真っ黒いカッコ どう見ても招かざる客     彼らは話しかけてくる 最近流行りの歌だの、新しくできたデートスポットだのって …知るかよ。Gスポットしか知らねぇよ俺は 変な仮面つけてダンスしてないでさぁ 俺に素顔を見せてよ それでも彼ら 「びじねすそりゅーしょん」 「ゆびきたすしゃかい」     どこだよここ? た・の・む・か・ら 俺に通じる言葉しゃべってくれ それでも彼ら 『愛』だの『永遠』だの バーゲンみたいに大安売りしちゃってさ     誰か 誰か話し通じるやついない? 何で同じ人間でこんなに言葉が通じない? 理由は簡単 彼らは一瞬を愛していて 俺は一生を愛しているから     それじゃあここで、俺の頭ん中のバンドメンバーを紹介しよう! on Bass あらわる君! on Guiter ながれる君! on Drums きえさる君! 3人がステージ上で飛び跳ね 時に反時計回りでグルグルし出す イッちゃってる謎のグルーヴがずっと鳴りやまないから アンタの声なんて耳に入んねぇよ     誰か 俺に強い酒をくれないか? 酔っ払って彼らの話についてけるように 誰か 俺に酸素をくれないか? 誰か 頼むよ     そこへ話のわかりそうな男 差し出したボンベ吸ったら それはパーティー用の声変わり君 ウラ返った俺の声聞いて そいつゲラゲラ笑ってやがる ねぇ君、 俺は何も面白くねぇよ     そんなこんなしてるうちに 城の連中が、世界中の食料全部買い占めちまった だから俺たちもう 誰もここから出ていけない バンドはいつのまにか解散 あらわる君ときえさる君は地下牢に放り込まれ かろうじて逃れたながれる君は 作り笑顔でなんとかパーティーに溶け込んでる 飲めもしないワイン、チビチビやりながら
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