4622人が本棚に入れています
本棚に追加
「はいはい、早く渡っちゃってー。後ろつっかえてるよーん」
「つっかえてるよーん」
おどけたキナコと、その真似をする愛美の声に4人で笑いながら、まはたもシホも結局すぐにそのことは忘れてしまった。
女性陣が橋を渡ったのと入れ替わりに、タクシーのドライバーは戻っていった。
一人のドライバーが十慈に帰り際、会社のロゴ入りの名刺を渡していった。帰りも使って下さいという意味だろう。
今度は各自、自分の荷物を抱えて橋から程近い灰色の建物の前に進んでいく。
その灰色の建物にはすぐに辿り着いて、そして皆、急に無口になった。
最初のコメントを投稿しよう!