序章

2/4
4618人が本棚に入れています
本棚に追加
/586ページ
明かりも点けない部屋の中、パソコンのモニターの明かりだけがほの暗くその人物の顔を照らす。 瞳の中に、小さくスクロールして行く文字。 いつもの画面、いつもの遊び。大した話がある訳でも無いのに、夜毎、人の集まるそのバーチャルな世界。 一人は淋しい? 顔が見えないから安心? 誰かを傷つける事も平気? 本当は自分に構って欲しい? さあ! ずっと心の中で思い描いていた事を、今日こそ実行に移そう! 毎日、毎日、安穏とした日常を過ごすあいつらに! 今こそ思い知らせてやる時だ……! ……小さな唸り声をあげて、パソコンのモニターが切り替わる。 『チャットルーム:001』 『この部屋に入室しますか?』 『はい』・『いいえ』 小さく深呼吸をしてから、カーソルを合わせる。 また画面が切り替わる……。 『……さんが入室しました』
/586ページ

最初のコメントを投稿しよう!