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同じクラスの真里亜のことが好きで好きでどうしようもなくなり、気持ちを伝えたいものの、今一歩勇気が出せずに悶々としていた時だった。 「康介~恭一~」 昼休みに食堂で、康介と恭一は食後のデザートに棒アイスを食べていた。 真里亜は今にも泣き出しそうな顔をしながら、康介と恭一の元へ走って来る。 「どうしたの?真里亜?」 康介と恭一と真里亜は高校1年の一番初めのクラスが一緒で席も隣り同士になり、急速に仲良くなっていた。今の2年のクラスも一緒だ。 真里亜は入学式から、その美貌で全校生徒の注目の的だった。 背は低く、小柄で肌の色は透き通るように白い。少し茶色のかかったストレートの長い髪。見つめられると動けなくなってしまいそうな魅力的な大きな目。特に男子生徒に人気だったのはぷっくりした桜色の唇と、ツンと上向きな豊満なバスト。15歳とは思えない程、体中から妖艶な雰囲気を醸し出し、全校男子生徒や男性教諭までもがその魅力に虜になっていた。 「どうしよォォォ…」 真里亜の大きな目には涙がいっぱい溢れている。 「どうしたの?」 「次の時間の数学の課題提出……今日までなのに家に忘れて来たのぉ…」 真里亜の目からは涙が今にもポロリとこぼれそうである。 真里亜は下唇をギュッッと噛んで涙がこぼれないように力を入れているようだ。
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