4588人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前って、その程度の人間だったんだな。
がっかりした
―もう別れよう。」
まだ空気の冷たい4月の朝
木陰の下に寝そべっていた
吉崎美里(ヨシザキミサト)は目を開けた。
場所は自身が通う学校の体育館裏。
彼女の腕時計が8時を少し回ったあたりから
近くの駐輪場が騒がしくなってきた。
自転車が停められる音や
生徒たちのたわいのない朝の挨拶
そんな何気ない空気を感じながら
美里は独りで呟いた。
「…今日から私も、普通組か―」
.
最初のコメントを投稿しよう!