春の始まり

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ちなみに、吉崎美里という女子は 「きゃっ!」などという か弱い悲鳴などあげないので そのへんをご理解頂きたい。 美里はゆっくり体を起こすと 右手で腹をさすりながら 左手で落ちてきたもの(と思われしもの)を拾いあげた。 その手に掴まれた物は 紛れも無く、靴。 しかも年期がはいっているのか ほんのりすっぱいフレーバーが 美里の鼻を突いた。 「なんだコレ、臭ッ!!!」 「おい、臭い訳ねーだろが!」 拒否反応を示した美里の左手が 靴を5m程吹っ飛ばしたと同時に 頭上から何者かの抗議と 「あぁぁあぁ!!!」 という悲鳴が聞こえた。 .
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