運命の本

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「ならば私がそなたの道を示そう…」 男はそういって一番奥にある本棚に歩いていきその前でなにやら呪文を唱えだした。 「アルグスメタビゴザビデザルーサス……」 「な…何やってんだよ。つか俺の質問に答えろよ!」 なにげに冷静なルチアは思った。 (こいつ…危ない人じゃね?!) 痛々しいものを見る目でルチアは謎の男を見ていた。 するとその時、男の前にあった本棚が開き光り輝く扉が現れた。 「うわっ!眩しい…。」 あまりの眩しさにルチアが目を閉じていると男が話しかけてきた。 「さぁ…此方へ。」 男が扉に手を近づけると扉が独りでに開いた。 「な…なんだよこれ。俺15年この城住んでるけどこんなのあるなんて一言も聞いてないぞ?」 ルチアは驚愕しながら扉を見つめていた。 「話は後ほど歩きながら説明させていただく…時間がないので早く扉の中へ…。」 そういうと、男は扉の中へ入っていった。 「あっ…まてよ、不審者!」 ルチアも慌てて扉の中に入った。 すると、扉が自動的に閉まった。 「うわっ!?なに?真っ暗じゃん。」 ルチアが騒ぎ出すと、独りでに灯籠に火が灯り奥へ奥へと続いていた。
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