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「おい!ここ入んなって書いてあるけど…。」
「此方にこい。」
「はぁ?なんでだよ?」
「いいからこい。」
(なんだこいつ…俺に命令すんなよな!)
なんだかんだでルチアは仕方なく男の方に近づいていった。
すると、
「右手をだせ。」
「はいはい…。」
もうめんどくさくなっていたルチアは素直に右手を差し出した。
グサッ…
「いたっ!な…なにすんだよ!」
突然男がルチアの右手の平をナイフで刺したのだ。
ルチアの右手から赤い血が指を伝ってポタポタと床に垂れる。
「その手で扉に触れろ。」
男がルチアに言った。
「てめーいきなり人のこと刺しといて、なに命令してんだぼけが!」
ちょと涙目になりながらルチアが男を怒鳴りつける。
「その扉を開くには王族の血がいる…魔王になるに値する者の血がな…。」
「だからっていきなり刺すなー!!」
ルチアが怒鳴りながら右手を扉に触れた。
すると、扉がまた光を放ち開いた。
「あれが魔本だ。」
扉の中は部屋になっていた。そして真ん中に台があり、その上で本が空中に浮いていた。
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