暗い学校

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「学校」って言うと、子供の頃聞いた、自分の学校の七不思議を思い出しませんか? 私は特に小6の時の、もう中学への進学が間近に迫っていたときのコトを思い出します. 小6の最後って言うと、もう大体学校のことなんて分かりきっているじゃないですか. だから、だと思います. 私のクラスの休み時間に、「レクリエーション係り」と呼ばれていた藤田君がこんなことを言いました. 「この学校について、みんな知ってる?」 みんな、嫌そうな顔をしていました. どうせいつものつまらない話だろう. みんなそう思っていました. 藤田君は昼休みに毎回なにか(つまらない)新しい遊びを考え出すのです. 「なにかっつーと、この学校の七不思議について.」 おっ、て感じの雰囲気でした. みんな、少しずつ知っていますが、全部知っている人はいません. 「1番知ってる?」 私のクラスでは有名な話だったので、全員が知っていました.2番は?3番は? 「俺、知らないんだけど、6つ目って皆知ってる?」 しーん. 「ハイ」 田中君だ. 「6番は、『七不思議全てを知ると、七つ目が起こる』だよ.」 「七つ目を知らないと意味がないんじゃん.」 何人か笑っていましたが、クラスの大勢は、藤田君の顔がみるみる蒼くなっていくのが分かりました. 「え・・・?そんな.ハハ・・まぁ、あくまでも噂だしね.信じないことにするよ.」 藤田君は怪談とか、そういうの苦手だったんでしょうか? もう誰も、「7番はなに?」とか言いませんでした. 今、私は大学生です. だけど、最近調子が良くなくて. さっき、藤田君が飛び降り自殺したそうです.あの小学校の屋上から. そんなに高くないのですが、打ち所が悪かったとか. その知らせが届いた後、メールが届きました. 送信元は、藤田君. あれ?と思いました. 内容は、 「7番目は、『6番目を実行したとき、あなたは死ぬ』」 え?私は、1から7まで、全部知っている. あ、窓の外に藤田君がいる. どしたの? あ、待ってよ. 「ガタッ」 窓の先には足場がなかった. そして今、私は、マンションの7階から地面に近づいています.
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