1.太陽と笑顔とホイッスルとローキック

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「あっくん、今日は多分凄く驚く日になると思うわよ?」 母さんがニコニコ笑いながら言った。 「どうして?」 「んふふふ~。それは帰ってきてからのお楽しみ。」 悪知恵が働いているような感じの笑みだ。 「はいはい。楽しみにしてますー。いってきます」 「いってらー」 家を出て、隣の家の玄関前で待つ。 いつものこの時間なら、家を出るともう既に家の前にアイツがいるはずなのだが、珍しく今日は俺の方が家を出るのが早かった。 だから、アイツの家の玄関前で待っているのだ。 携帯電話でテトリスをプレイしながら待っていると、玄関の鍵が開く音がした。 そして、扉が開く。 「おはよ」 俺と彼女は、ほぼ同時に言った。 玄関から出てきたのは、紺色の制服を着た女子だ。 黒い長髪。少し尖った印象を与える大きな目。 この女子は俺の幼馴染みの沢野 雪音 (サワノ ユキネ)だ。小学校の時から、ずっと一緒の学校に通っている。 よりによって、通う高校まで一緒なのだから、もうこれは誰かの策略としか考えられない。
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