1.太陽と笑顔とホイッスルとローキック

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なんとか2人とも1限目のライティングの授業までに、宿題を写し終えることができた。 そして授業が始まると、早速睡魔とおしゃべり。 睡魔が話す言葉に、まるで相づちを打つかのように俺は何回もコクリ、コクリと頭を下げていた。 自分が嫌いな教科はこんな授業態度になることが多い。特に英語関連の教科はまともにノートすら執れていない。 情けない程集中力が無いのは自覚している。 でも、自覚していてそれが治らないのが悲しい現実だ。 そんな感じで授業を受けつつ、やがて帰りのホームルームが終わると、俺は真っ直ぐ部室へと向かう。 部室の中はそんなに広くない。 10人が入るだけで、座ることが困難になる程だ。 だから、俺を含めて12人いる2、3年生が使うことになっている。 コンクリートの壁に囲まれたこの中で、俺達は着替えたり、トランプで大富豪をしたりする。 いわゆる憩いの場というものだ。 部室で着替え終え、棚に置いていたシューズを持つと体育館のコートへと向かう。 で、シューズの紐を結び、シュート練習で体を慣らしてから練習開始。
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