1.太陽と笑顔とホイッスルとローキック

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本格的な練習メニューに入る前に、まずはダッシュの練習をする。 これは、ホイッスルの合図と同時に全力で走り出すという練習だ。 ちなみにこれを10回行うのだが、見た目以上にハードだ。 ホイッスルを鳴らすのは、我が男子バスケットボール部の紅一点。 マネージャーの沢野雪音だ 。 というか、この練習メニューがハードなのは全部この女のせいだと言っても過言ではない。 真面目に練習をしなければ、鋭い眼光で睨めつけられ、たまにローキックで尻を蹴られる。 だが、その分気配りはしっかりしているので、皆からの信頼は厚い。 後輩からは「姉さん」。 2年生以上からは何故か「嫁」。 というような愛称で親しまれている。 3年生の先輩からも頼りにされてる面があるので、多分部内では部長より実権を握っているかも。 いつの間にか夜の7:30 キツい練習が終わった。 皆は帰宅する準備を終えて帰っていく。 でも、俺はまだ帰ることを許されていない。 何故なら、マネージャーの帰りを待たなくてはならないからだ。しかも俺だけ。
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