3580人が本棚に入れています
本棚に追加
本格的な練習メニューに入る前に、まずはダッシュの練習をする。
これは、ホイッスルの合図と同時に全力で走り出すという練習だ。
ちなみにこれを10回行うのだが、見た目以上にハードだ。
ホイッスルを鳴らすのは、我が男子バスケットボール部の紅一点。
マネージャーの沢野雪音だ 。
というか、この練習メニューがハードなのは全部この女のせいだと言っても過言ではない。
真面目に練習をしなければ、鋭い眼光で睨めつけられ、たまにローキックで尻を蹴られる。
だが、その分気配りはしっかりしているので、皆からの信頼は厚い。
後輩からは「姉さん」。
2年生以上からは何故か「嫁」。
というような愛称で親しまれている。
3年生の先輩からも頼りにされてる面があるので、多分部内では部長より実権を握っているかも。
いつの間にか夜の7:30
キツい練習が終わった。
皆は帰宅する準備を終えて帰っていく。
でも、俺はまだ帰ることを許されていない。
何故なら、マネージャーの帰りを待たなくてはならないからだ。しかも俺だけ。
最初のコメントを投稿しよう!