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「…何?怒ってるの?」
先程の態度を急変させ、今度はなだめるような口調に変わった。やっぱり微妙にムカつく。
「いいえ。毎日毎日、素敵な女性のモーニングゴールで起こされたら、気分絶好調で起き上がります」
携帯電話を片手で持ったまま、制服のズボンに履き替える。
「社交辞令ありがと」
「どういたしまして。じゃ、また後で」
「はいは~い」
向こうから電話が切れたので、携帯電話をベッドに放り投げた。放物線を描きながら、羽毛の掛け布団の中に見事に吸い込まれる。
それを見届けた俺は、今度はワイシャツを着ようとする。
―数分後
ある程度用意を済ますと、部屋を出て2階から降りた。
手には黒色に近い紺色のブレザーと、白のエナメルバッグを持って。
1階に降りてまず向かうのは洗面所だ。ここで寝ぐせ直しと髭反りと洗顔を行う。それが終われば今度はリビングで朝食。
リビングのテーブルにはもう既に朝食が並んでいる。
何も言わず、テレビ画面に映されたニュースを見ながらトーストを食べ始めた。
今日はハニートーストだ。蜂蜜の甘くてまろやかな香りが食欲をそそられる。
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