1.太陽と笑顔とホイッスルとローキック

4/18
前へ
/115ページ
次へ
黙々とトーストを食べるていると、母さんがキッチンからやって来た。 そして、テーブルを挟んで俺の向こう側の椅子に座ると、もう1枚置いてあったハニートーストにかじりついた。 「ねぇ、あっくん?」 母さんはそう言うと、テーブルの上の今朝の朝刊を広げた。ちなみに「あっくん」とは俺のこと。 「何?」 「今日の晩御飯何がいい?」 「先週もそんなこと言わなかった?」 「いいから早く」 「ん~…何でもいい」 「先週もそんなこと言わなかった?」 母さんは勝ち誇ったような顔をした。 「優柔不断な態度ばっかとってると、女の子に呆られちゃうわよ?」 「…うっさい。じゃあ、ハンバーグ」 「オッケー。楽しみにしてて」 そこから会話は続かず、俺と母さんは黙々とトーストを食べ続けた。 そして、トーストを食べ終えて、ニュース番組に表示された時刻を見た。 7:58 ちなみに集合時間は8:00 隣の椅子に掛けていたブレザーを着て、学校に出掛けようとした、その時だった。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3580人が本棚に入れています
本棚に追加