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雪音とは、小学校の時、彼女の家族が今の家に引っ越して来てからの付き合いだ。
引っ越してきた当初は会話すら交わさなかったが、ある日突然、彼女から俺に話しかけてきた。特に拒否する理由が無い俺は、彼女と会話をした。それがきっかけで打ち解け合うことができ、今ではこうして、学校のある日には2人で通学するのが当たり前になる程の関係になった。
まぁ、向こうにはこちらに対しての恋愛感情は無さそうだし、俺も彼女を1人の女性として扱っているが、恋愛感情は無い。
言ってしまえば【親友】みたいなものだ。
時々、彼女との関係に尋ねられるが、
「昔からの友人」
と、俺はきっぱりと答える。
今までもそうだし、これからもそう答えるつもりだ。
雪音が通学する準備ができたのを確認すると、俺は先に歩き出した。
「あっ!待ってよ!」
彼女が俺の横まで駆け寄ってきた。
「ねぇ、なんで今日の朝はあんなに機嫌悪かったの?」
俺の顔色を見て聞いてきた。
「別に…ちょっとイライラしてた」
「どうして?」
「なんとなく…かな」
「なんとなくって…そういう曖昧なこと言われたら、こっちがイライラするわよ!」
「何でお前がキレるんだよ…」
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