1.太陽と笑顔とホイッスルとローキック

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「はい」 「おっ、サンキュー」 袋から何冊か本を取り出して確認する金村。 それ以上その場で会話をする必要が無かったので、俺は無言のまま自分の机に座った。 と、金村がまた話し掛けてきた。 「加藤、ライティングの宿題やった?」 その言葉は俺の脳内を激しく揺らした。 「…忘れた」 「えぇ~!?写させてもらおうと思ったのに~!」 ヤバい…!あの宿題を忘れると、授業中ずっと指されっぱなしになる!そうなれば、貴重な睡眠時間が無くなってしまう…!とりあえず、適当に女子を当たってみるか…! まず隣の席の高橋さんからだ! 「高橋さん!ライティングの宿題終わってる!?」 「あっ、うん。はい」 「貸して!?」 彼女はライティングのテキストを机から出し、俺に渡した。 まさかの一回の表で満塁ホームラン気分。 「でも、間違ってるかも…」 「全っ然気にしませんから!あざーっす!」 重要なのは「必死で頑張りました」という意志が伝わるような解答ですから。 俺と金村はコピー機に改造されたかの如く、高橋さんのライティングのテキストを必死に丸写しした。
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