relation(関係)

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  「……ふう、か」  男は、ふと目を開け。  病床脇に座っていた僕に気付くと、驚いたように呟いた。 「はい。芙宇です」 「……久し、振りだ…な」  鼻に通されたチューブのせいで、男ーーキクチさんは、喋り辛そうだった。 「い……くつに、なった」 「二十一」 「そう……。か…変ら、ない……な」  言って。  キクチさんは、力無く息を吐き、じっと僕を見つめた。  
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