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「巽さんは……僕にとって兄さんみたいな人だったし、行って欲しくはなかったけど。巽さんの選んだ道だから、仕方ないですよね」
「そん……な」
「そうですよ」
「馬鹿、な…巽は……」
僕は小さく首を振った。
「ただの家庭教師で。兄弟みたいな友達。それだけ」
“嘘だ
信じない”
そう言いたげに、キクチさんは僕を見た。
「本当ですよ」
僕は彼を見、静かに言った。
「……本当です」
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