演じる人形

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朝、私は、カーテンから差し込む暖かく優しい太陽の光によって目を覚ました。 烏(カラス)の愛らしいさえずりが聞こえてくる。 擬音で言うなら「カァーカァー」烏の鳴き声ほど愛らしい鳴き声は、ないと私は、心の中で静かに頷いた。 そういえば中学生の時に、国語の時間で擬音を使うのは、日本人だけと学んだことがある。 ……と無駄な豆知識を思い出しながら私は、使い初めてはや二年にもなる高校祝いに買った馴染み深く大変お世話になっている四角のアナログ時計を寝転がったまま見る。 時計は、無情にも私の普段起きなければならない時間よりも 10分遅くを表示していた。
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