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一瞬なにがおこったかわからないままの二人へさらに怪物はとんできた。
やはり二人は身体が硬直し動くことが出来なかった。
(死ぬっ!!)
そう二人は思ったが
間一髪のところでゴードンが二人を抱き
近くの建物の屋根へ飛び移った。
三人が屋根に避難したことを確認しているうちに
ステファノスは化け物たちに囲まれていた。
少しの静寂の後で
いきなりステファノスの後ろにいる怪物が彼に飛び掛かっていった。
(危ない!!!!!)
二人はとっさに思ったが恐怖のせいで声が出ない
しかしステファノスは来ることに気付いていたようだが
慌てる気配すらない。
手に持っていた細長いステッキを後ろから来る怪物に向け
「目障りだ。」
と言い
ステッキの先から強力な光を放った。
フィレルは完全に眩しさに耐え兼ねて目を反らした。
なんとか眩しさをこらえながらティムが見たものは
怪物たちがステファノスの杖が空に描いた円に向かってねじ込まれるように吸い込まれている様子だった。
フィレルが視線をステファノスに戻した時には
何十体もいたはずの怪物は跡形もなく姿を消していた。
するとどこからか笑い声が聞こえてきた
その声の主はひとしきり笑い終えた後で
「フフ、合成獣(キメラ)ごとき相手に空間魔法使うとは…。
あんたらも大人げないんじゃない?」
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