序説

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ある時代のとある場所。 乱れきった世の一角。 誰にも見つかることなく ひっそりと暮らす少年二人 片方は綺麗な深い緑の目を持ち 顔立ちも整っている。 髪は落ち着きのあるブラウンの少年。 彼の名前はフィレル もう一人は 青色の目を持ち 格好良いというよりむしろ見た目の可愛い 金色のツヤのある髪を持ったティム。 彼らはこの世に生まれているが 捨てられていたため世間一般では存在していない。 いわゆる戸籍がないのだ 二人は当然親の顔を見たことがない。 二人の赤ん坊はたまたま同じ所に捨てられ 同じ人に拾われた。 拾ってくれた人がまだ裕福な家庭ならば良かったのだが 一種のスラム街のような路地裏に捨てられていたので ほとんど盗みで生計を立てている人たちばかりであった。
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