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とある日、今日の朝飯を探しに二人は裕福層の朝市へ出かけた。
もちろん買う金などない。
だから盗むのだ。
ちなみに二人は今まで盗みで捕まったことがない。
二人とも小柄ですばしっこいので、
食べ物に飢えていない丸々と太った大人たちには到底追いつける相手ではなかった。
今日はパン屋を狙いに行く。
その日もいつもと同じように時間が過ぎてゆく
……はずであった。
手際よく一人が周りの視線を集め、その隙に
盗む。
そのついでに近くに置かれてあった新聞も貰っていった。
それは他国との戦争で紙面が埋め尽くされていた
一見情勢は優位に見えるが
日に日に、内容が薄っぺらくなっていき、
そこを埋めるための資金援助や募兵の広告が遠まわしに情勢悪化を伝えていた。
そんななか二人は
新聞の隅っこに小さく掲載されているひとつの記事に目を落とした。
そこには「魔術師募集中」
と住所だけが書いてあった
今時魔術師なんてメルヘンチックなことをいってるやつもいるもんだ。
と周りの人々は笑って相手にもしていなかったが
二人は笑ってはいなかった。
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