第一章~憧れ~

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母親 『涼‼早よ食べ‼お母さん、疲れてんねやから、早よ片して寝たいんよ‼』 涼介 『あ、あぁ…』 涼介は、食卓に着くと、夕食を食べ始めた。 涼介 (あ…そや…。) 涼介は、不意に口を開いた。 涼介 『なぁ…おかん…』 母親 『どないしたんよ⁉改まって⁉』 涼介 『……今日…仕事探しに行って来たんな?』 母親 『ほーなんや⁉ようやく真面目に働いてくれる気になったんか⁉どんな仕事や⁉』 涼介 『とりあえず話だけ聞いてきて…迷ってんねんな…?』 母親 『せやから‼どんな仕事やねんて⁉また水商売かぁ⁉ホストとか言うたら許さへんで⁉』 涼介 『そんなんちゃうわ…真面目な仕事や…』 母親 『おっきい会社か⁉どんな仕事やねんて⁉』 涼介 『……………長距離運転手…。』 この時… 母親の表情が、一瞬にして歪んだ。 母親 『こ…このアホ息子がぁぁぁ‼‼‼あんたの父さんがなんで死んだかわかっとるんかぁ⁉なんでわざわざ父さんと同じ道歩まなあかんねん‼‼‼もし事故ってみぃ‼‼周りの人間にどんなけ迷惑掛けるかわかっとんのかぁ‼‼‼父さんが死んだ時…母さんがどんなけ苦労したかわかっとんのかぁ‼⁉』 涼介 『…。』 母親 『答えてみぃ‼‼なぁ‼涼介っ‼‼普段からただでさえ家庭ほっぽっとったんやで⁉母さんがどんな思いしとったかわからんのかぁ‼‼また同じ思いさすつもりかアンタはっ‼‼ドアホが‼‼絶対にアカンでな⁉明日断りや‼』 涼介 『……やっと……』 母親 『何っ⁉』 涼介 『…やっと…やりたい事が見つかりそうなんや…俺は…親父と同じ視界を……見てみたいんや……』 パンッ… 母親は、涼介にビンタを食らわした。 母親 『アホアホアホォ‼‼このドアホォ‼‼父さんと同じ視界やと⁉寝ぼけた事吐かすなぁ‼‼父さんの視界はなぁ、高すぎて、足元にいてるアタシら家族の事なん見えてへんかったんや‼‼高い位置から、もっと高くて、手の届かんトコに逝ってもーたんや‼‼‼結局…結局、足元におるアタシらの事なん見下げもせんとなぁ‼‼………アンタには……そないなってもらいたないんや……』 そう言うと… 母親は泣き崩れてしまった…。
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