第一章~憧れ~

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慌ただしく開店準備を終え、後は開店時間を待つだけ… 開店前の少しの時間、涼介は、バイト仲間とタバコを吹かし、ささやかな休息を取った。 涼介 『店長、またリニューアルを企んどるで💧』 バイト仲間・裕也 『マジっスか💧この前テーブルとソファーが気に入らんて言うてたばかりやないスか💧』 涼介 『飽き性なんやろ💧昔からそや💧』 裕也 『そーなんスか💧あ、聞きましたか⁉』 涼介 『何をや?』 裕也 『優芽ちゃんいるやないっスか?』 涼介 『あぁ、妊娠したて噂の?』 裕也 『そーそー、客とヤッて、出来てもーたらしいでっせ⁉』 涼介 『らしいな…』 裕也 『しかも‼相手、常連のデコリンらしいでっせ‼』 涼介 『マジかいっ⁉ちびデブハゲで、油ギッシュなデコリンか⁉』 デコリンとは、ボーイ及びキャバ嬢が呼ぶ、客の通称(あだ名)である。 裕也 『そうですわ💧』 涼介 『よくあんなんとデキたな💧俺が女やったら無理やわ💧』 裕也 『どーせ金でしょ💧デコリン、金はあるみたいっスからね💧』 涼介 『アイツって、トラック乗ってんねやろ?』 裕也 『みたいっスね💧』 涼介 『トラックて、そない儲かるんか?』 裕也 『さーあ…💧俺に訊かれても💧』 涼介『俺のオヤジもトラック乗っとったけど…しんどいだけてイメージやな…』 裕也 『もう辞めてもーたんでっか?』 涼介 『……事故って死んだ。』 裕也 『‼………なんか…すんまへん…』 涼介 『かまへんかまへん…あ、開店時間やで?』 裕也 『はいっ‼』 それから間もなく、店は開店し、忙しい時間を迎えた。 しかし… 何故か… トラックの事が頭から離れなかった。 それから数週間が流れた。 トラックの事なんか忘れていた時であった。 涼介 (今日は暇やな…) 店員 『いらっしゃいませー‼‼1名様ご案内でーす‼‼』 涼介 『いらっしゃいませー‼‼…ん?デコリンやん…。』 その時、裕也がインカム(小型無線機)で話しかけてきた。
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