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慌ただしく開店準備を終え、後は開店時間を待つだけ…
開店前の少しの時間、涼介は、バイト仲間とタバコを吹かし、ささやかな休息を取った。
涼介
『店長、またリニューアルを企んどるで💧』
バイト仲間・裕也
『マジっスか💧この前テーブルとソファーが気に入らんて言うてたばかりやないスか💧』
涼介
『飽き性なんやろ💧昔からそや💧』
裕也
『そーなんスか💧あ、聞きましたか⁉』
涼介
『何をや?』
裕也
『優芽ちゃんいるやないっスか?』
涼介
『あぁ、妊娠したて噂の?』
裕也
『そーそー、客とヤッて、出来てもーたらしいでっせ⁉』
涼介
『らしいな…』
裕也
『しかも‼相手、常連のデコリンらしいでっせ‼』
涼介
『マジかいっ⁉ちびデブハゲで、油ギッシュなデコリンか⁉』
デコリンとは、ボーイ及びキャバ嬢が呼ぶ、客の通称(あだ名)である。
裕也
『そうですわ💧』
涼介
『よくあんなんとデキたな💧俺が女やったら無理やわ💧』
裕也
『どーせ金でしょ💧デコリン、金はあるみたいっスからね💧』
涼介
『アイツって、トラック乗ってんねやろ?』
裕也
『みたいっスね💧』
涼介
『トラックて、そない儲かるんか?』
裕也
『さーあ…💧俺に訊かれても💧』
涼介『俺のオヤジもトラック乗っとったけど…しんどいだけてイメージやな…』
裕也
『もう辞めてもーたんでっか?』
涼介
『……事故って死んだ。』
裕也
『‼………なんか…すんまへん…』
涼介
『かまへんかまへん…あ、開店時間やで?』
裕也
『はいっ‼』
それから間もなく、店は開店し、忙しい時間を迎えた。
しかし…
何故か…
トラックの事が頭から離れなかった。
それから数週間が流れた。
トラックの事なんか忘れていた時であった。
涼介
(今日は暇やな…)
店員
『いらっしゃいませー‼‼1名様ご案内でーす‼‼』
涼介
『いらっしゃいませー‼‼…ん?デコリンやん…。』
その時、裕也がインカム(小型無線機)で話しかけてきた。
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