第一章~憧れ~

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トラック…か。 トラックから見える風景て… どんなんやろ…? 今俺が見とる世界とはちゃうんやろな… 全国を駆け回るて… どんな感じなんやろ…? オヤジは… どんな思いで… トラック転がしとったんやろか…? 涼介の頭の中には、このような疑問ばかりが浮かんで来た。 いや… 父親が見ていた世界に興味が湧いていた。 そして… デコリンの名刺を取り出してみた。 デコリンも………同じ世界を見てるんやな…。 涼介は、一度デコリンに電話してみようと思った。 次の日― 昼過ぎに目覚めた涼介は、早速ケータイを手に取り、電話を掛けてみた。 トゥルルルル… トゥルルルル… トゥルル… 事務員 『はい、マルトモ冷凍輸送です…』 涼介 『あ、あの…野村と言う者なんですけど…友田さんは……』 事務員 『あ、社長ですね?少々お待ちを…』 涼介 『はい…』 電話口から、陽気な音楽が流れる… 友田 『はい…友田でっけど…』 涼介 『あ、あの…夕べ名刺を頂いた…キャバクラの……マーメイドガールの……野村と言います…』 友田 『…………あぁ‼ガタイのエエ兄ちゃんかぁ⁉早速電話くれたんかいな⁉』 涼介 『は、はい…』 友田 『はっはっは‼ほーかほーか‼ほな、電話口やとなんやから、一度こっち来ぃな✨時間あるんやろ⁉』 涼介 『い、今からですか⁉…ありますけど…』 友田 『ほな来ぃな✨住所は名刺の通りやさかい✨わからんかったらまた電話してや✨』 涼介 『あ、はい…』 友田 『ほな、待ってんで‼』 プーッ プーッ プーッ… ピッ… 涼介 (まだ行くとも言うてへんのに…ま、えっか。) 涼介は、早速着替えを始めた。 そして、住所を確認してみた。 涼介 (潮凪町…シーパラ(茂馬シーパラダイス)の近くやな…) 涼介は、原チャリに跨ると、潮凪町を目指して走り出した。
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