~入学前のひととき~

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「この傷、わかるでしょ?この傷、前いた家の人につけられたの…。」 「…。」 「前の家の人は私を人として、ううん…ぬいぐるみとしても扱ってくれなかった…」 「……。」 「そこでは私は(ただの物)でしかなかった…。私をぬいぐるみとして扱ってくれなかった!!」 「………。」 「だからヤダ!!…もうあんな生活に戻りたくな「それ以上言うな。」」 俺は彼女の話を遮った。 「お前のことはよくわかった。」 「でも…「良いんだ。」」 「スマン…俺が悪かった。そんなことがあったなんて知らなかった。」 「…ううん。もういいの。」 悲しい空気が部屋中を包んだ。 「じゃあ、私行くね?」 「…えっ?」 「だってここに居ちゃ迷惑なんでしょ?だから行くね?」 彼女は立ち上がり去って行く。 「バイバイ…」 「待て!」
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