~入学前のひととき~

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「…そうだな、霧音(きりね)なんてどうだ?五月雨霧音。」 少しの間俺は考えた。 そして考え付いたのがこの名前。 …まぁ、五月雨ときたら霧かな?という考えだったが…。 一方の霧音は… 泣いていた。 いや、下を向いて耐えていたといった方が正しいかもしれない。 「おい、どうしたんだ?気に入らなかったのか?」 俺は不安になった。 すると霧音は首を横に振って、 「ううん、違うの。こう親切にされたの初めてでなんか嬉しくて…」 そういって霧音は頭を上げた。 そこには涙を流しながらも満面の笑みで笑っている霧音がいた。
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