77人が本棚に入れています
本棚に追加
/74ページ
さて、今俺は霧音と一緒に駅までの道のりを歩いている。
…手を繋いで。
これには深い理由がある。
~回想中~
「なぁ…どうしてお前は手を繋いでるんだ?」
「繋ぎたかったから♪」
「…はぁ。」
あなたは周りの空気に気が付いているのか?
「あの子、マジ可愛くねぇ!?」
「横にいる奴誰だ?」
「…ハアハア、可愛いよ…ハアハア。」
特に男どもからの死線がね…後、最後の野郎、キモいぞ。
「霧音…あんまりくっつくなよ、歩きにくい。」
「兄さんは私と手繋ぐの嫌…?」
くっ…霧音の方が背が低いため必然的に上目遣い+涙目になっている。
「嫌じゃ無いが…せめてくっつくのはやめろ。恥ずかしい。」
そう言った瞬間
「よう、兄ちゃん、かわいい娘連れてんじゃん。ちょっと貸してよ。」
「そうそう、君だってこんなブサイクと歩くより僕たちみたいなイケメンと歩いた方が嬉しいよね?」
「と言うわけだから…お前、消えてくんない?」
いきなり不良どもが絡んできた。
めんどいな…適当に話をはぐらかして回避する「嫌です!」「…えっ?」
いきなり霧音が叫んだ。
「貴方たちみたいな弱いくせに威張っている人たちに着いていきたくありません!それに兄さんはカッコいいです!貴方たちよりずっと!」
…あ~あ、言っちまったよ。
「ああ?この女!下手にでてりゃいい気になりやがって!」
「仕方ねぇ!無理にでも連れていくか!」
そう言って不良が霧音の腕を掴んだ。
「嫌!離して!」
「いい加減にしろよ…このクズが。」
最初のコメントを投稿しよう!