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開花前の桜の下を
オレたちは歩いて最後の日を迎える
しおらしい先生の表情も
涙を堪えた女の子の表情も
オレたちには関係ない
目立たない体育倉庫裏の約束の樹
秘密を交わし合い
夢を語り合い
約束した
「十年後またここで」
あれから月日は流れ
オレたちは社会の歯車に成り下がった
牙を折られ
首輪をされ
飼われ腐っても
わすれないあの場所
約束の樹
いつか家族ができても
お前らが特別だ
「また会おう、約束の樹の下で」
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